厳冬期のテント泊用マットを買い替えることにした。
きっかけは単純で、ふと嫌な予感がして、いつも使ってたexpedのDownMat UL 7 Sを、久しぶりに膨らませてみたら、パン!!!パン!!とか大きな音を出して破裂した。
破裂というと語弊があるけど、内部の気室をわけてる隔壁が勢いよく剥離した。
写真のバルブのすぐ上の縦のラインが剥離して一つの袋みたいになっちゃった。

思い起こせばこのマット、もう10年近く使ってる。
厚みがあって地面の凹凸を吸収してくれるから、厳冬期だけじゃなくて普段のキャンプでも寒がりな嫁につかってもらってた。
よほど暑い時以外は大体使ってたんだけど、去年あたりからファミリーキャンプ用の大きなエアマットにしたので登場する機会は減ってた。
破損は悲しいけども、まぁ、仕方ない。よく10年も持ったなとも思う。
クローズドセルのマットだったらへたるだけでこうはならなかったんだろうけど、生地を接着しているエアマットにはこの問題は付きまとうんだろうね。
まぁ、厳冬期のテント泊中に破裂しなくてよかったと思うことにする。(ここ数年行ってないけど)

というわけで、こんな真夏の暑い盛りに厳冬期用の新しいマットを選ぶことにした。
候補に挙げたのは3つ。有名メーカーで定番?の2商品と、スペックだけみたら優秀なやつ。

・THERMARESTのネオエアー Xサーモ NXT

・expedのUltraシリーズ


・NaturehikeのR8.8

サーマレストの価格帯は4万円台後半から5万円ちょっと。
expedもだいたい同じ価格帯。Naturehikeはサーマレストやexpedの半額。安すぎる!

でも、NaturehikeとTHERMAREST/expedはブランドとしての信頼度が違う。
Naturehikeはキャンプ用としては全然ありだと思ってるんだけど、これを厳冬期の立山とか、冬場にどこかの避難小屋周りで使うイメージが正直湧かなかった。

そもそも指標にしているR値ってどういうふうに計測してるんだろう?高いほど寒さに強いっていう認識でしかなかった。
というわけで、マットやシュラフの暖かさの指標になるR値について少し調べてみた。

R値の測定試験は、ASTM F3340規格っていうので決められているらしい。3340の後に試験内容の更新年が入る形。F3340-22は2022年に制定/更新された試験規格。
調べたらこんな感じみたい。


① 測定環境
・周囲温度:20.0℃(±0.5℃)
・密閉された室内で実施

② プレート挟み込み構成

プレート役割温度
上部(ホットプレート)人体を模擬35℃
下部(コールドプレート)地面を模擬5℃
  • 上部プレートには2.0kPa(±0.1kPa)の圧力を加える(人が寝た状態を再現)
  • エアーマット・インフレータブル等、種類を問わず同一条件・同一機材で試験

③ 計測方法
試験時間は数時間かけて安定した数値を取得。
上部プレート(35℃)の温度を一定に保つために必要な電気エネルギー(電力)を計測
断熱性が高いマットほど下部への熱損失が少ない → 温度維持に必要な電力が少ない → 高いR値として算出
実験機は無風・無振動で、上から面で均一に加圧(2.0kPa)する静的な環境。


こんな環境でR値を測ってるらしい。
あくまでテストなのでマット単体としての能力はこれで測れるのかもしれないけど、実際の環境とはだいぶ違う気がしてる。
パッと思いつくのは以下。

点荷重による「コールドスポット」
実際に寝る時は横寝とかで肩や腰に荷重が集中して、マットが局部的に押し潰される。
寒い環境で寝てて、腰とかお尻とかの圧力がかかる場所がヒヤッとするあれ。

体温と体動による「内部空気の対流」
試験機では温まった空気と冷たい空気の対流については考えてるようにみえるけど、実際の環境では実験機と違い、人間は寝返りを打つ。
動きに伴ってマットが変形すると、内部の空気が大きく流動し、対流によって熱が逃げる。

個体差と選抜サンプル
これをいったら元も子もないけど、試験対象はメーカー持ち込みのサンプルであるため、量産品よりも充填状態やフィルムの配置が理想的な個体(ベストケース)がテストされた可能性もある。
ここはメーカーをどこまで信頼できるか?という話。

とどのつまり、R値ってあくまでマット単体の静的状況で測定した値なので参考でしかない。
静的な状態での温度の推移として計測は正しいんだろうけど、上記の通りいろんな状況で変わってくる。

改めて各モデルのスペックを確認。
いずれのモデルもマミー型と長方形の両方の形があるので好みで選べるのは良いと思う。

naturehike R8.8は厚さ12cm、重量はマミー型Mで約510g、長方形Mで約570g。
-30℃対応を謳ってる、数字だけ見ればかなり強気なスペック。
特に構造についての言及は確認できなかったけど、公式のHPの写真をみると、内部は複数の気室にわかれているようにはみえる。
ただ、実際に海外のレビューをみるとR値は8.8とは到底思えない(寒い)と言われてるみたい。

THERMARESTのネオエアーXサーモ NXTはR値7.3。マミー型のMサイズ(Rサイズ)で439g。
この3つのなかだと最軽量。
三角形のバッフルによる2層構造で空気の対流を抑えつつ、追加で熱反射コーティングで厳冬期にも使えるスペック。
メーカーとしての信頼感はある。

expedのUltra 7Rは700フィルパワーのRDS認証ダウンを使ったDOWNMATテクノロジーで、厚さ9cm、R値7.1。
サイズによって重量は違うけど、M Mummyで445g前後。
2026年時点だとすでに後継のUltra 6、8Rに切り替わりつつあって、こっちは化繊マイクロファイバーに反射フィルムを組み合わせた仕様。ダウンの欠点だった湿度を含むとロフトが縮む問題も解決したっぽい。

さて、どれにしようかな…。寒くて寝れないのは堪えるけど、冬は荷物が多くなるので重量は抑えたい。となると一番軽いサーマレスト…かな…でもちょっと高いなぁ…と悩みながら登山用品店をオンラインで眺めていると。おやおやおや…。
2026年8月時点でダウンのUltra 7Rは型落ち扱いになってて、値引きされてる!3万でお釣りが来る!!
となると、もう選択肢は一つ。
また10年よろしくお願いします!!!

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